【レポートvol.009】「Black Box Diaries」舞台挨拶付き上映会

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小倉昭和館です。
R8.7/11(土)にて開催いたしました【「Black Box Diaries」舞台挨拶付き上映会(伊藤詩織監督)】のイベントのご報告です!!

イベント

「Black Box Diaries」舞台挨拶付き上映会

日にち

2026.7/11(土)

ゲスト

伊藤詩織監督

関連映画

・Black Box Diaries



自らの性被害を記録し、アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされるなど国際的反響を呼んだ伊藤詩織監督の「Black Box Diaries」を小倉昭和館は7月24日まで上映しています。
性暴力を告発する#MeToo運動の日本での先駆者でもある伊藤さんも初日の7月11日に舞台挨拶。
性被害への理解と支援を訴えました。

始まり

伊藤さんは2015年、当時のTBSワシントン支局長と就職相談のための会食中に意識を失い、記者のホテルの部屋で被害に遭いました。
警察に訴えたものの不起訴。記者は当時の安倍晋三首相と極めて親しく、いったん出された逮捕状が警視庁上層部の指示で執行を中止された、記者が政権幹部と思われる人物に相談のメールを送っていた、などの不可解な事実が報道されています。
映画は事件の経緯をつづった伊藤さんの2017年の著書「Black Box」を基に制作。
その後の記者を相手にした民事裁判で勝訴し最高裁で確定するまでの闘いと葛藤、性暴力に「寛大」で被害者が声を上げにくい日本社会のゆがみを描きます。

映画化への想い

伊藤さんは著書だけでは伝えきれないものがあったと話しました。
「自分に起きた事件だから感情を抑えて書いたところ『強い被害者』像がひとり歩きしてしまい、『被害者だったらもっと泣いて怒るでしょう。それが感じられない』といった言葉を浴びました。私の日常の姿をどうやって伝えることができるか。そう考えて映画化に踏み切りました」

映画の冒頭では、意識をなくした伊藤さんが記者にタクシーから引きずり出されてホテルに運び込まれる衝撃的な映像が紹介されます。
伊藤さんの裁判での証拠に使用を限定してホテルが提供した防犯カメラの映像ですが、映画での使用を巡って伊藤さんの弁護団や支援者らの間で議論を呼びました。
伊藤さんは2017年の出版と同時に実名と姿を公にして記者会見。
以来SNS上を中心に「セカンド・レイプ」と呼ばれる激しい誹謗中傷にさらされてきました。
伊藤さんによると、事件後に歩いてホテルを歩いて出る伊藤さんの映像がなぜか流出し、性被害は嘘だというデマも広まったといいます。
防犯カメラ映像の使用は、そんな中傷への反撃だったと伊藤さんは明かしました。
裁判では認められなかったものの、意識をなくした原因は「デートレイプドラッグ」と呼ばれる睡眠剤を飲まされたのではと伊藤さんは考え続けています。
「あの画像だけが証拠。わがままではあったけれども公に出したかった」。
弁護団らに謝罪しつつ真意を訴えました。

上映は、北九州市立大の教職員や学生による自主上映館「北方シネマ」との共同企画。
伊藤さんは「北方シネマ」のスタッフともキャンプなどで交流を続けています。
「北九州に来るとたまっていたモヤモヤが晴れてくる。SNSなどでの一方的な言葉の矢が大きくなってしまうのは人間的なつながりがないからでは」。
そして「今日もお天気のよい土曜日にたくさんの人が来てくださった。知らない人と同じ空間で時間を共にする映画館は、情報が高速で行き交う世界の中で貴重な場です」と笑顔で呼びかけました。

【文・写真/K・I】